「逃げる」という言葉には、一見ネガティブな印象もありますが、実は「解放」や「自由への渇望」、「新しい自分を求める旅立ち」というポジティブな意味合いも含まれています。自然の中には、その「逃げる」「解放」「自由」を象徴する植物が存在し、花言葉としても強く表現されています。今回は、「逃げる」を意味する花言葉を持つ植物について紹介していきます。
ワスレナグサ – 忘れないでと逃避
ワスレナグサ(Forget-Me-Not)は、「私を忘れないで」という花言葉を持つ青い小花ですが、同時に「逃避」という意味も含まれています。
その由来は、ドイツの伝説にあります。かつてある若い恋人たちが川辺を歩いている時、男性が足を滑らせ川に落ちてしまいます。流される前に、彼は女性に「私を忘れないで」と叫びながらワスレナグサを岸に投げたと言われています。
この逸話から、ワスレナグサは「消え去るもの」「手の届かない存在」として、どこか現実から逃れたい気持ちや儚い愛を象徴するようになりました。
朝顔 – 儚さと逃避の象徴
朝顔は、早朝に咲き、昼過ぎにはしぼんでしまう短命な花です。花言葉は「儚い恋」「結束」「短い愛」ですが、その一瞬の美しさと消えていく様子から「逃避」の意味も込められています。
つるを伸ばし、どこまでも広がっていくその成長の仕方は、自由を求めて駆け巡るような印象を与えます。また、すぐに花がしぼんでしまうことは、現実からふっと姿を消すような儚さを感じさせます。
特に夏の朝に咲く朝顔は、静かに逃げ去るような美しさで、見る者の心に強い印象を残します。
風船葛 – 自由への旅立ち
風船葛(ふうせんかずら)は、その名の通り風船のような丸い実をつける植物で、花言葉には「自由」「旅立ち」「私をとらえないで」が込められています。
風船のような実が風に揺れる様子は、まるで束縛から解き放たれ、どこまでも飛んでいくような印象を与えます。軽やかに空へと向かう姿は、現実の束縛や悩みから解放され、新しい世界へと羽ばたいていくシンボルです。
「逃げる」とは少し異なるかもしれませんが、「束縛からの解放」として新たな自由を象徴しています。
ハナミズキ – 忍耐と解放
ハナミズキは「永続性」「私の想いを受けてください」という花言葉を持っていますが、一方で「自由への解放」も象徴しています。
その理由は、アメリカから日本に送られたハナミズキが、時代の変化を超えて広く根付いた歴史にあります。厳しい環境でも美しく花を咲かせ、自由に枝を伸ばしていく姿は、制約からの脱却と新しい未来への旅立ちを表現しています。
特に春の空に向かって咲き誇る姿は、自由を求めて伸びていくように見え、抑圧からの解放を象徴しています。
ツタ(アイビー) – しがらみからの逃避
アイビー(ツタ)は、つるがどんどん伸びて広がり、壁や木に絡みついて成長します。花言葉は「永遠の愛」「結ばれる運命」ですが、反面「しがらみからの解放」も意味します。
絡みつく一方で、隙間を見つけては逃げるように成長し、どこまでも広がる姿は、閉ざされた場所から抜け出し、自由へ向かうシンボルです。
また、アイビーは寒さにも強く、壁の割れ目や荒地でも成長する力を持っています。束縛や制限の中でも自由を求めて伸びていくその姿は、逆境からの逃避と未来への希望を表しています。
逃げるを意味する花を贈るシーンとは?
「逃げる」や「解放」「自由」を意味する花を贈るシーンとして、以下のような場面が考えられます。
- 新しい環境へ飛び立つ友人へのエール
- 辛い環境から抜け出して再スタートを切る時
- 自由な発想を応援したいクリエイティブなシーン
- 過去のしがらみを断ち切りたい決意を示したい時
- 長い休息や旅行を経て、新しい自分を見つけたい時
「逃げる」は決して悪いことではなく、新しい未来を見つけるための第一歩です。束縛を手放し、自由を求めて歩み出す人への贈り物として、これらの花々は希望と解放を伝えてくれるでしょう。
花言葉 逃げるを意味する植物とは?解放と自由を求める意味のまとめ
「逃げる」や「解放」「自由」を象徴する花言葉を持つ植物には、ワスレナグサ、朝顔、風船葛、ハナミズキ、アイビーがあります。これらの植物は、束縛や制限から抜け出し、自由な未来へ向かって伸びていく力を持っています。
逃げることは時に「新しい未来への旅立ち」を意味します。自分自身を解放し、新たな希望を探しに行く決意を持った時、これらの花を贈ってみてください。自由な心と希望を象徴する花が、未来への一歩を力強く後押ししてくれるでしょう。