「悪い」という言葉には、否定的・ネガティブな印象が強く、人に対して使う場合は慎重な配慮が必要です。しかし、花言葉の世界には、人間の感情や本性を映すように、時には「悪」や「裏切り」「嫉妬」「憎しみ」「不誠実」といった負の感情を象徴するものも存在します。
この記事では、「悪い」というテーマに関連する花言葉と、それに該当する花々、背景となる意味や、贈る際に気を付けたいポイントを解説します。
「悪い」とされる花言葉とは？
花言葉はポジティブなイメージだけでなく、人間関係の摩擦や負の感情も含まれています。「悪い」という意味に該当する花言葉には、以下のようなものがあります。
・裏切り
・嫉妬
・不誠実
・悲しみ
・悪意
・虚栄心
・偽り
・別れ
こうしたネガティブな意味を持つ代表的な花には、次のような種類があります。
・黄色いバラ：「嫉妬」「薄らぐ愛（西洋）」
・アネモネ（紫）：「見捨てられた」「儚い恋」
・ダリア（赤・黒）：「裏切り」「不安定」「移り気」
・ゼラニウム（赤）：「偽り」「詮索好き」
・チューリップ（黄）：「報われない愛」「望まれぬ愛」
・ヒガンバナ：「悲しい思い出」「諦め」「死」
・ユリ（赤）：「虚栄心」
・トリカブト：「復讐」「人間不信」
・ナンテン（南天）：「良くない知らせ（語呂合わせ）」
これらの花々は、花言葉として「悪意」や「負の感情」を含んでいるため、贈り物にする際には大きな注意が必要です。
黄色いバラが象徴する「嫉妬」や「裏切り」
黄色いバラは見た目に明るく元気な印象を持ちますが、西洋の花言葉では「嫉妬」「冷めた愛」「裏切り」など、恋愛におけるマイナス感情を象徴する花とされています。
もちろん日本では「友情」や「明るさ」といった意味もあるため、前向きに解釈されることもありますが、特に恋人への贈り物としては誤解を招く可能性があります。
黄色いバラを選ぶ場合は、相手との関係やメッセージの添え方に十分な配慮が必要です。
ダリアの持つ「移り気」「裏切り」の一面
ダリアは豪華で美しい花ですが、その華やかさゆえに「移り気」「裏切り」「不安定な愛」といった花言葉も持っています。赤や黒に近い色合いのダリアでは特にその傾向が強く、恋愛関係や信頼関係が揺らいでいるときに、あえてネガティブな意味を伝えるために使われることもあります。
演劇や物語の中では「悪役」「裏切り者」の象徴として用いられることもあり、美しさの裏にある怖さを表す花とも言えるでしょう。
トリカブトが示す「復讐」や「不信」
トリカブトは猛毒を持つ植物として知られており、花言葉にも「復讐」「人間不信」「騙された悲しみ」といった、非常に強い負の意味が込められています。
現実に贈ることはほとんどありませんが、文学的・芸術的な表現や、ドラマチックなストーリーのモチーフとして使われることがあります。花としては美しい紫色を持ちながら、深い闇を感じさせる稀有な存在です。
ゼラニウムやチューリップにもある「偽り」の意味
ゼラニウム（赤）は、「君がいてくれる」というポジティブな意味と共に、「偽り」「お節介」「詮索好き」といったネガティブな意味も持っています。表面上は優しく接していても、心の内では信用されていない、というような状況に当てはまることがあります。
また、チューリップの黄色も「報われない愛」「望まれぬ愛」といった切ない意味があるため、贈り方によっては誤解を生む可能性がある花です。
ネガティブな花言葉を贈る際の注意点
「悪い意味」の花言葉を持つ花は、一般的には贈り物としては避けるべきですが、以下のような場合には例外的に使われることがあります。
・演劇や舞台で役柄の象徴として
・物語性を持たせた展示やアート作品に
・ユーモアやブラックジョークとして、関係性が深い相手とのやりとりで
・自分自身への象徴的な贈り物として、内面の葛藤を表現する目的で
とはいえ、ほとんどの場合は相手に誤解を与える可能性が高いため、相手が花言葉をよく知っている人でない限りは避けた方が無難です。
「悪い意味」の花言葉から気づけること
花言葉の「悪い意味」は、人間の感情の裏側を見つめるきっかけにもなります。たとえば、「嫉妬」「虚栄心」「復讐」などの感情も、愛の裏返しや誤解、過去の傷から生まれることがあります。
それらを否定するだけでなく、「どうしてそういう気持ちが生まれたのか」「どう向き合えばよいのか」を考えることで、人間関係の改善にもつながるヒントとなることがあります。
悪いのまとめ
花言葉の中には「悪い意味」――嫉妬、裏切り、虚栄心、復讐、不誠実――などを象徴するものが存在します。黄色いバラ、ダリア、トリカブト、アネモネ、ゼラニウムなどは、その美しさとは裏腹に、人間の負の感情を映し出す花でもあります。
これらの花は、感情の複雑さや人間関係の機微を表現するための道具として、文学やアートの世界でも重要な役割を果たしています。しかし、日常の贈り物として使うには慎重さが求められます。
花言葉は、贈る側の気持ちを代弁するものであると同時に、受け取る側の心にも大きく影響を与えるものです。その意味を正しく理解し、適切な場面で使うことで、花が持つ本当の力を最大限に活かすことができるでしょう。